自分とBUMP OF CHICKEN その1 二回の出会い編

※このブログは、自分と、自分がこの世で一番好きなバンドであるBUMP OF CHICKENとの思い出を振り返る、言わば自分語り回顧録です。

 

それは、2009年の春から夏にかけての頃の事だった。

 

自分が通っていた中学校では、給食の時間に放送部がお昼の放送なるものを行っていて、放送室に流してほしいCDを持っていけば、委員の人がかけてくれる、というシステムがあった。その日も、誰かが持ってきたCDが流れていた。

そして、その中で自分の耳に届いたのが、BUMP OF CHICKENの「カルマ」だった。


BUMP OF CHICKEN『カルマ』

「天体観測」やその他の人気曲をそれ以前に聞いていたとも思うが、自分が記憶している限りでは、この給食中に聞いた「カルマ」が自分とバンプとの初めての出会いだった。

 

当時中学生だった自分は、多感なお年頃だったし、若干中二病のような部分もあったのだろう、とにかく、そのサウンドのカッコよさに強く惹かれた。荒々しく鳴り響くギター。ハイテンポで刻まれるドラム。そして、耳に突き刺さる特徴的なボーカル。「カルマ」はバンプの曲の中でも3分半と比較的演奏時間が短い方の曲だが、その短さでも自分の心を掴むには十分だった。

 

しかし、ここで問題があった。放送委員は渡されたCDをただ流すだけなので、この曲が何という名前のアーティストの、何という名前の曲なのかといったアナウンスは一切してくれないのである。当時はまだShazamといった便利なアプリも存在していなかったし、そもそも学校にケータイを持ってくるなんてもっての他だった。それゆえ、その時の自分は、給食中に流れていた曲がただただカッコよかった、という感想を抱えただけで1度目の邂逅を終えていった。

 

自分とバンプの出会いを決定的にした2度目の邂逅は、ある友人の家で起きた。当時仲が良く、よく家に遊びにいっていた大柄の友達がいた(余談だが、その友達の家が裕福だったのもあって、お古のPSPを安く譲ってくれたり、やらなくなったソフトをくれたりと、色んな面でお世話になった)。その日もその友達の家に遊びにいって、友達がゲームをプレイしているのを漫画を読みながら眺めていたりした。すると、あの時カッコいいと思った曲がテレビ画面から流れ出してきた。そう、「テイルズオブジアビス」である。友達が「テイルズオブジアビス」のオープニングを流しているのに思わず反応して、友達に「これ、何て曲?」と気付いたら聞いていた。すると友達が、「BUMP OF CHICKENの「カルマ」って曲だよ」と教えてくれた。ついに、自分はバンプという名前にたどり着く事が出来たのである。

 

こうして思い返すと、この時この友達が「テイルズオブジアビス」をプレイしていなかったら、自分とバンプの出会いはもっと先の事になっていたかもしれないし、下手すると一生出会えないまま人生を終えていたかもしれない。そう思うと、この友達には感謝してもしきれない

ちなみに、「テイルズオブジアビス」は自分でも買ってプレイした。物語の重要な戦闘で流れる「カルマ」のオーケストラアレンジが最高にカッコよかったのも懐かしい思い出。

 

こうして「BUMP OF CHICKEN」と「カルマ」という二つのキーワードを手に入れた自分は、友達の家から帰った後、母親のケータイを借りて(今考えるととんでもない事だが、当時の我が家にはネット回線が存在せず、インターネットを利用する数少ない手段が、母親のケータイを借りてブラウザにアクセスする事だった)、バンプについて検索し、件の「カルマ」という曲がどのCDに入っているかを調べた。そうして辿り着いたのが「Orbital Period」だった。

 

母親に付き添ってもらい近所のレンタルショップで「Orbital Period」を借り、家にあったラジカセで(これも今考えると恐ろしい話だが、当時家にあったパソコンを触らせてもらえず、音楽プレーヤーも持っていなかった自分が音楽を聴く手段といえば、ラジカセでCDを再生するか、カセットテープ(!!)で録音したものを聞くくらいだった)CDをかけた。当時印象的だったのがCDに付いてきたブックレットだ。「Orbital Period」には「星の鳥」というタイトルの、実質絵本のようなブックレットが付いていて、絵本のストーリーに沿ってそれぞれの曲の歌詞が載っている、という形式だった。今でこそバンプの曲は満遍なく聴くようになってはいるが、カッコいいを求めていた当時の自分は、ひたすら「カルマ」をリピートして、他の曲にはほとんど目もくれなかったし、先述の絵本風のブックレットも流し読みしていた。ただ、当時CDをレンタルするという事をほとんどしてこなかった自分にとっては、アルバムを借りて聞くというのはとても新鮮な体験であったし、「星の鳥 reprise」という、「カルマ」の前奏曲のようなインスト曲も入っていて、「カルマ」という曲の世界がより広がったように感じられた。

 

こうして、自分とバンプの出会いは生まれ、今日へと続く自分とバンプとの関係性のきっかけとなった。しかし、出会ってすぐドハマりした、という訳でもなく、バンプの他のアルバムに手を出してみたりなんて事もその時はまだしないままで過ごしていた。

 

自分がバンプを本格的に聞くようになるのは、翌年2010年の9月の出来事が事の発端となる。

 

〈つづく〉