自分とBUMP OF CHICKEN その2 「SCHOOL OF LOCK!」はとーやま校長とやしろ教頭の頃のリスナーでした編

 ※このブログは、自分と、自分がこの世で一番好きなバンドであるBUMP OF CHICKENとの思い出を振り返る、言わば自分語り回顧録です。

 

2009年、給食中の学校と友達の家の計2か所において、「カルマ」およびBUMP OF CHICKENとの運命的な出会いを果たした中学生のリキ少年。

そこから約1年の間、バンプは「R.I.P./Merry Christmas」や「魔法の料理 ~君から君へ~」、「HAPPY」のリリースなどを行っていたが、自分はそれらの活動にさほど強い興味を持たなかった。NHKの「みんなのうた」で「魔法の料理」が流れているのを聞いたり、朝の情報番組でシークレットライブを行ったというニュースを眺めたりするくらいで済ませてしまっていたのを覚えている。

 

「『カルマ』という曲が好きなバンド」どまりだったバンプに、もう一段階ハマるきっかけとなったのが、2010年の9月から10月にかけての「宇宙飛行士への手紙/モーターサイクル」のリリースだった。


BUMP OF CHICKEN『宇宙飛行士への手紙』

どこからか入ってきたニュースだったかはよく覚えていないが、ある日自分の元に「バンプ新曲『宇宙飛行士への手紙』今夜ラジオで初OA」という情報が入ってきた。何よりも「新曲を発売日よりも前にフルサイズで聴ける」という事に胸が躍ったのを覚えている。思い返せば先述の「R.I.P./Merry Christmas」から「HAPPY」までのリリースに関しては、気付いたら既にリリースされていたという事もあり、リリースの盛り上がりの波に乗れなかったのもあったのかもしれない。とにかく、「初OA」という響きにワクワクした自分は、「orbital period」を再生した例のラジカセを再び引っ張り出して、来る9月14日の放送に備えていた。

 

「宇宙飛行士への手紙」の初OA当日、自分は地元・静岡のラジオ局であるK-MIXにチューニングを合わせて、「SCHOOL OF LOCK!」を聞き始めた。まだ夜も深い時間帯のラジオ番組のノリに疎かった当時の自分は、番組の冒頭から流れるあのギターソロや、「校長」や「教頭」とか「学校」といったワードが飛び交うOPトークにかなり戸惑いながらも、ようやく「宇宙飛行士への手紙」のOAまでこぎ着ける事が出来た。ラジカセから流れてくる「宇宙飛行士への手紙」は、決して良い音質とは言えない環境ながらも、そのサウンドはそのまま自分を宇宙まで連れて行ってくれるような、とても広がりのあるものだった。また、今でこそ「四つ打ち」という言葉で理解できるが、この曲のテンポのリズミカルさも、当時の自分にとってはとても衝撃的なものだったのを今でも覚えている。

 

「宇宙飛行士への手紙」の余韻に浸りながら続けて番組を聞いていると、「BUMP LOCKS!」という、バンプのメンバーがパーソナリティーを務めるコーナーの期間限定での復活がアナウンスされた。これは聞かない訳にはいかない…!と思い、そこから自分の「SCHOOL OF LOCK!」を聴く生活が始まった。バンプといえばbayfmで放送されている「PONTSUKA」という名前のレギュラー番組があるが、当時ネットを利用する手段をほぼ持っておらず、静岡県西部という、千葉県の電波が入ってくるはずもない所に住んでいたあの頃の自分にとっては、「バンプのラジオ」といえば「BUMP LOCKS!」だったのである。

今でこそ深夜ラジオを当たり前のようにリアタイする生活を送っているが、この「ラジオ番組を聴く」という習慣も、この「宇宙飛行士への手紙」のOAがなければ身に付かなかったかもしれないと、改めてバンプと「SCHOOL OF LOCK!」という番組に感謝したくなる。また、「SOLを聴く=J-POPや邦楽ロックにハマる」という流れにそのまま乗っかっていった自分は、この番組を通して当時2枚のミニアルバムをリリースしていたBase Ball Bearや、「天使と悪魔」をリリースしていた頃の世界の終わり(まだSEKAI NO OWARI表記じゃなかった)といった数々のバンドを知るようになった。今ならネットで古今東西様々なバンドやアーティストの情報を知る事が出来る環境にいるが、ラジオから人気バンド・急上昇グループを知るという体験は、本当に貴重なものだったと振り返って思う。

 

そんなこんなでSOLおよびBUMP LOCKS!を聴くようになった自分に、バンプのニューアルバム発売決定の情報が入ってきた。明確にバンプを好きになってから初めて発売されるアルバムに心が弾まない訳がなく、すぐさまGEOに駆け込んで(近所で一番近い新品のCDを扱ってるショップがGEOだった)、生まれて初めてCDを予約した。

そこからは次々とアナウンスされる新情報にワクワクを膨らませながら、指折り数えてアルバムの発売日を待つ日々が続いた。「COSMONAUT」というタイトルに宇宙飛行士は英語でそんな言い方もあるんだ…と思ったり、アルバムの収録曲の一覧が出た時には、それぞれがどんな曲なのか、懸命に想像を膨らませていたりもした。中でも初めてCDジャケットの画像を見た時の衝撃は半端なかった。宇宙服のヘルメットを持つ様子がデカデカと写っているそのジャケットは、今でも形容しがたい不思議さを感じさせてくれる。

 

そして12月15日、いよいよバンプのニューアルバム「COSMONAUT」が発売された。


BUMP OF CHICKEN「三ツ星カルテット」

今までCDはほとんどレンタルで済ませていた自分にとって、遂にバンプのCDを自分で所持するようになったリキ少年は、我が家の車に乗る機会がある度にCDを持ち込んでひたすら流していた。乗る度にアルバムの頭から再生するため、特に上の「三ツ星カルテット」のアコギのイントロはとにかく何十回と聴いていた。今でも、冬の寒空の下、カーステレオから流れるこの曲のイントロは、車窓から眺めた景色と一緒に記憶に強く焼き付いている。

また、今思い返すと「COSMONAUT」というアルバムのそのシンプルさも、自分にピッタリと刺さったのかもしれない。前作の「orbital period」は絵本と一体となったブックレットであったり、次作の「RAY」はARが使える歌詞カードなど、アルバムに対する仕掛けが色々と施されていたが、「COSMONAUT」に関しては、CDと比較的凝っていない歌詞カードのみと、とてもシンプルな作りこみだった。それゆえ、より曲に集中する事が出来たのかもしれない。

こういった経緯もあって、「COSMONAUT」はかなり思い入れの深いアルバムとなったし、一番好きなバンプのアルバムは?と聞かれたら、迷わずこのアルバムを挙げるくらいには好きなCDとなった。自分にとっての2010年は、「カルマ」の荒々しいカッコよさ以外の、BUMP OF CHICKENの更なる魅力を知る事の出来た一年だった。

 

こうして「宇宙飛行士への手紙」および「COSMONAUT」の存在によって、よりバンプにハマっていったリキ少年は、アルバムを何度も通して聞きながら、2011年へと突入していくのであった。

 

〈つづく〉