自分とBUMP OF CHICKEN その17 2022年の暮れに編(後編)

 

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前回からの続き。この記事では夏フェス以降の出来事を振り返る。

 

ROCK IN JAPAN FES.2022 DAY3(08/11) 参加

人生初の夏フェスは、バンプの出るフェスだった。

 

フェスには行くに行けなかった自分も(場所遠いし忙しい時期の開催だしチケット代は高いし)、コロナ禍に突入した今となってはバンプが出るライブにはなるべく足を運んでその目に焼き付けたいと思うようになり、ようやくフェスに出演するバンプというのをお目にかかる事が出来た。

 

フェスでのバンプはいつものライブでのバンプとは違った面白さがあった。

特に新鮮だったのが他の出演バンドについてボーカル・藤原が触れた事だった。バンプの前の出番がマキシマムザホルモンだった事を受けて、藤原は「ホルモンの後にこんな暗いバンドが出ちゃって…」と発言して観客の笑いを誘っていた。

バンプはかなり内向的な所があるバンドで、他のアーティストとの接触をあまり公に話したりはしない。そんなバンプが他のバンドの名前を口に出した事自体が新鮮だったし、多くのバンドやアーティストが出演するフェスだからこそ起きた出来事だと思う。

 

もう一つ、アンコール前の観客の様子も面白かった。バンプのライブではアンコールの催促として「supernova」を観客が合唱するのがお決まりの流れだった。しかし、コロナ禍で思うように発声できない状況と、フェスという普段のバンプのライブの様子を知らない客も大勢いたからか、この時は観客がスマホのライトを付けて一斉に掲げていた。普段のライブでは絶対に起きない光景に最初は面食らったが、これもコロナ禍でのフェス流のやり方なのだと今では思う。ステージに戻ったメンバーがいつもと違う客側の様子を見て何を感じたか、とても気になる。

 

セットリストは先月のライブのダイジェスト版のようでありながら、「K」や「花の名」といった往年の名曲も久しぶりの披露し、久しぶりにバンプのライブを見た人も、自分のようなライブ常連の人間も、どんな人でも楽しめるものだった。

また、アンコールに「ray」も持ってきた事も新鮮だった。この曲は最近のセットリストではトリなどの要の役割を果たす事が多かったので、アンコールとして鳴らされるこの曲にはいつもと違ったものを感じた気がした。

 

フェス自体も初体験としてはとても良い思い出になった。思えばコロナ禍に突入して以来こんなにも多くの人が一堂に会している場所に来るのも久しぶりで、それだけでテンションが上がったし、物販やフードコーナーに並ぶ時間でさえもワクワクの止まらない時間だった。

また、他のアーティストやバンドのライブも、普段バンプのライブにしか行かない自分にとってはとても貴重なものだった。特にNUMBER GIRLを運良く前方のエリアで観れた事はとても大きかった。

 

今年の夏の夏らしい思い出はこのフェスしか作れなかったが、これ一つだけで十分すぎるほどの楽しい時間を過ごせた。また数年後くらいにバンプが再びフェスに出演する時も、会場に居られたらと願わずにはいられなかった。

 

 

 

〇「SOUVENIR」配信リリース


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9月、バンプの新曲がアニメ「SPY×FAMILY」の第2期のオープニングの主題歌を務める事が発表された。

 

このタイアップに対して触れておきたいのが、第1期のOP・EDはそれぞれOfficial髭男dismと星野源、同じ第2期のEDをyamaが担当していた事だ。

この並びにBUMP OF CHICKENがいるという事実が面白い。バンプ以外のアーティストは言ってもここ数年で脚光を浴びるようになったアーティストばかり。そこにバンプが入ってきた事が、新人気鋭の人たちに引けを取らない人気・集客力があると見なされているように思えて、いちファンとして結構嬉しいものを感じた。

 

また、この曲は音楽面でも新しい景色を見せてくれた。これまでにないほどの軽快でポップなギターリフとシンセサイザーの伴奏、音の数を出来るだけ減らしたサビと、活動期間が四半世紀を超えたバンドとは思えないくらい、チャレンジに満ち溢れた曲調となっている。

歌詞に関しても、「あなたに会えた事、あなたがいる事への喜び」を描いているという点では「新世界」と似ている所を感じるが、「新世界」がそれをひたすら抽象的に、多幸感に満ちた形で歌い上げていたのに対して、「SOUVENIR」は「あなたへ向かう帰り道」という歌い上げるテーマをより具体的に描いているのが印象的だった。

個人的にはサビの後半の〈歩いて 歩いて~〉の歌詞の部分が全体を通してとてもお気に入りの部分になった。この部分はフルで聴いて初めてその良さを実感できると思うので、アニメを見た人もそうでない人も、一度でもいいから通して聴いてもらいたい所。

 


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(後ほど触れるが、今年のライブハウスツアー Zepp Hanedaでのセミファイナル公演でのパフォーマンスの様子が見れるので、これも見て少しでもこの曲の魅力を感じてもらいたい。)

 

〇「TOUR 2022 Silver Jubilee」@Zepp Spporo DAY2 参加

 

 

11月1日、「ライブハウスでのBUMP OF CHICKEN」を観たくて一人北海道まで足を運んだ。

 

ただでさえライブのチケットが握れないバンプのライブハウスツアーという事で一公演だけでもと願いながら応募した甲斐あって、北海道のZepp Sapporo公演のチケットを本当に運良くゲットする事が出来た。

 

思えば、飛行機を使ってまで何かしらのイベントを観に行く、いわゆる「遠征」と呼ばれる事をしたのは今回が初めてだった。北海道に行くのも高校の修学旅行以来だし、飛行機に乗るのもその時以来だった。ライブついでに北海道を観光したり美味しいものでも食べたり出来たら良いな、そんな事を考えながら来るその日を心待ちにしていた。

 

そして迎えた当日。朝一の飛行機で移動した後は、時計台を観ながらEarstern Youthの「時計台の鐘」を聴いたり、さっぽろテレビ塔で意味もなく記念撮影の写真を千円払って買ったり、ふらっと入った定食屋さんで北海道らしさ溢れる海鮮丼を食べたりして時間を潰していた。

 

いよいよ開場・開演の時間。自分の立ち位置は1F スタンディングの下手側後方だった。

自分は身長がめちゃくちゃ低いため、あいにく背伸びしてもメンバーの頭がほんのちょっとしか見えない、その位しかステージの様子を見る事が叶わなかった。

しかし、今思えば却ってそんな状況が良かったのかもしれない。メンバーの様子を見るのを諦めて、時には目を瞑りながら奏でられる音のみに集中した事で、よりライブ感というものを味わえた気がした。ただでさえステージと客席の距離が近いライブハウス、よりダイレクトに感じられるアンサンブルが、自分の心を感動で大いに満たしてくれた。

 

セットリストも幕張でのライブから更に磨きがかかり、新旧の楽曲をよりごちゃまぜにしたものになっていた。個人的にはバンプの中でも特に好きなアルバム「COSMONAUT」の収録曲が多かったのも嬉しかったし、「アルエ」から「GO」といったこの先ないだろうと思えるような順番の披露にとても目頭に来るものがあった。

 

先程触れた「SOUVENIR」もライブで聴くとまた魅力が増したように感じた。2番のサビで藤原がマイクスタンドを離れて上手の方まで向かい、客席にクラップを煽っていたのがとても印象に残っている。

コロナ禍で声が出せない状況にある昨今。バンプのライブは客席に歌う事を求める曲が定番という事もあり、なかなか以前と同じようなライブを出来ない状況にある。そのような中でバンプの見出したい一つの手段がクラップだった。ありきたりのようにも思われるかもしれないが、間違いなく客席の全員でクラップしていたあの瞬間は、みんなで天体観測やray、ガラスのブルースを歌うあの瞬間と同じくらい、全員の気持ちが揃っていたのだと思う。

 

終演後、感無量だった自分は正に「SOUVENIR」の〈走って走って 胸いっぱいで歩いて〉の歌詞の通りの気持ちで会場を後にしていた。あの帰り道は、次のバンプのライブへと向かう帰り道の始まりなのだと、今改めて思える。

 

 

〇まとめ

BUMP OF CHICKENのファンになってから今日まで10年以上の月日が流れたが、それでもフェスや遠征と今年だけでも沢山の初めての経験をバンプは自分にもたらしてくれた。いつだって、BUMP OF CHICKENは自分にとっての居場所であり、目印であり続けてくれる。

 

来年には全国アリーナツアー「be there」に「Silver Jubilee」のライブ映像作品、「SOUVENIR」のシングルが控えていると思えば、時期は未定ではあるが「18祭」での若者とのパフォーマンスや「天体観測」のアニメーション企画と、既に多くのイベントが控えている。

 

今年もBUMP OF CHICKENにたくさんのものを貰えた一年だった。来年もどうか、メンバーの皆さんやスタッフの皆さんが無病息災で活動できるように、そして自分自身も健康な体でBUMP OF CHICKENを楽しめる事を切に願いながら、今回の振り返りを締めたいと思う。

 

それでは、また来年。

 

あと、多分これ俺。