自分とBUMP OF CHICKEN その7 サブタイトル思いつかなかった編

※このブログは、自分と、自分がこの世で一番好きなバンドであるBUMP OF CHICKENとの思い出を振り返る、言わば自分語り回顧録です。

 

2014年3月、「COSMONAUT」から実に3年3か月振りの7thアルバム、「RAY」が発売された。ただ、アルバムの発売の直後は自分の所属している吹奏楽部の集大成である定期演奏会があり、そちらに時間を追われているため、ようやくじっくりとアルバムを聴けるのは新年度に入ってからであった。

「RAY」は「COSMONAUT」のカントリー感溢れるサウンドから、シンセの多用を中心とした挑戦的な音作りが見られる曲と、バンプの原点とも言える重厚なロックテイストな曲が同時に並ぶという、バンドの今と昔が交錯しているようなイメージを強く受けた。特に「ray」は今のライブでも定番曲になったように、このアルバムの核を成す曲となった。〈生きるのは最高だ〉というフレーズも、ついにこの言葉を言葉として表現するのか…と衝撃を受けたのを覚えている。

また、このアルバムは以前の記事で書いた「BOC-AR」アプリと連動して、アルバムの歌詞カードをより楽しめる要素もあった。「orbital period」に付いてきた「星の鳥」とはまた違った形でのストーリーの楽しみ方を体験する事が出来た。実はまたやってほしいシステムだと結構思ってる。

 

「RAY」の発売と同時に大きなニュースとなったのが、初音ミクを客演に迎えたバージョンの「RAY」のリリースだった。


BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」

アイドルマスターを通じてニコニコ動画ニコニコ動画を通じて初音ミクを認知していった自分は、この意外すぎるコラボに最初はとても驚いた。しかし、これまで他のアーティストとコラボというコラボを行ってこなかったバンプが、初のフィーチャリングとして迎えたのが初音ミクという事に、不思議と違和感は感じなかった。というのも、初音ミクというアーティストは実に透明なアーティストであって、その存在をそれぞれのコンポーザーたちが自分の色に染めていくのが一つの魅力であると自分は考えている。それと同じように、このコラボもその透明さがゆえに成立したものだと考えている。バンプの持つ世界観と衝突しないアーティストが誰かと考えると、初音ミクが正に適任だったのだと思う。

この二組は、のちに行われるライブツアー「WILLPOLIS 2014」の千秋楽の東京ドーム公演で待望の競演を果たした。


BUMP OF CHICKEN feat. HATSUNE MIKU「ray」LIVE MUSIC VIDEO

初音ミクが現れた瞬間に起こる歓声、藤原基央初音ミクにボーカルを譲る瞬間の様子と、この会場にいる誰もが「初音ミク」というアーティストを心から受け入れていたのが伝わってくる。それだけでもこの異色のコラボは成功したと言えるのではないだろうか。

ちなみに、この初音ミクとのコラボした際の音源は当時iTunesでのみ期間限定で配信された。前回のブログのように当時ダウンロード配信に全くタッチする事の出来なかった自分はここでもやはり置いてけぼりを食らう事となった。そんな音源は今ではSpotifyなどのサブスクで聴く事が出来る。本当、良い時代になったものである。

 

先述のライブツアー「WILLPOLIS 2014」に、自分は地元静岡のエコパアリーナ公演に参加する事が出来た。「GOLD GLIDER TOUR 2012」の時も同じエコパアリーナの公演に参加したが、その時と違うのは、バンプ仲間と参加できた事だった。友達の友達という関係性の人だったが、同じものが好きという点で仲良くならない訳がなかった。グッズ待機列も、開演前の時間も、ライブが終わった後も、とにかくその知り合いとバンプについて語り合ったのが懐かしい。

ライブ本編ももちろんずっと幸せな時間が続く内容だった。「RAY」の収録曲を中心に、前回のツアーでも導入された「恥ずかし島」で披露された「歩く幽霊」はここの場でしか聞けない特別なものとなったし、アンコールが4曲と、他の会場よりも大きく盛り上がるものとなった。余談だが、バンプの静岡公演は他の会場よりも特別な内容になる事が多い(DANNYの披露、他の会場より多いアンコール、次回以降に触れるチャマの誕生日関連など)ので、今後静岡でライブが開催される際は、ぜひチケットを抑える事をおススメする。

 

このライブと並行して、7月31日放送の「ミュージックステーション」において、バンプは初めての生放送での楽曲披露を行った。

もちろん自分も当日はテレビにかじりついて、バンプの出番を今か今かと待ちわびていた。自分の好きなバンドの地上波の音楽番組に初出演という状況に、とんでもない嬉しさと、ファン以外の視聴者にはどんな風に見られるのかというちょっとした不安も抱えていた。そしていよいよ来るバンプの番、その時のバンプは「虹を待つ人」と「RAY」の2曲を披露していた。自分がエコパアリーナで見た時と変わらない、いつも通りの演奏をしていた事にとても安心した。かつて「ブラウン管の向こう側から評価されたくない」と藤原基央は発言した事があった。その頃とは違い、ブラウン管からデジタルテレビへと世間は移行し、バンプも尖った楽曲からその時の最新のモードの楽曲を披露した。いちバンプファンとしては、ある意味ひとつの歴史的瞬間に立ち会う事が出来たのだと、一人勝手に感激していた。

 

2013年に引き続き、初の他アーティストとのコラボ、しかも初音ミクという実体のないアーティストとのコラボや「Mステ」への出演、今回の記事では触れなかったが、ドキュメンタリー映画の劇場公開や漫画「3月のライオン」とのコラボレーションなど、BUMP OF CHICKENは2014年も多くの挑戦を行った。今回こうして振り返ってみると、何だかんだバンプの活動をある程度楽しめていたんだと思えた。しかし、この翌年が、おそらく一番バンプとの距離が離れていた時期と言ってもいいかもしれない。

 

〈つづく〉